なおし家鍼灸院
院長
「今日は患者さんで、現在、鉄道会社に勤めておられる丸泰佳さんに来ていただきました。丸さんは、患者さんでありながら、ご自身の身体と向き合うことで、今まで気付くことのできなかった変化を感じられるようになったんですよね。今日はよろしくおねがいします」よしこ「丸さんには、セルフケアもしっかりやっていただいているので、その辺りのお話しも伺いたいと思っています。よろしくおねがいします」
なおし家 “かどちん”!?
丸さん「なおし家さんには、いつもお世話になっております。この対談を私も楽しみにしてました。院長はもう、スーパー鍼灸師、ゴッドハンド”かどちん”という異名の先生で(笑)」院長「ははは(笑)実は小学生の頃からかどちん、と呼ばれてたんですよ」丸さん、よしこ「へ~、そうなんですね」
鉄道会社に入社して
院長「簡単に自己紹介をしていただけますか?」丸さん「現在の会社へ2004年に入りました。入ってからは駅員を2年、車掌を3年、運行管理の仕事を7年勤め、現在は総務の仕事が4年目になります」
院長「今、私の住まいは伊豆高原ですが、丸さんは伊豆高原をよくご存知なんですよね。なにかゆかりがあるんですか」丸さん「伊豆への旅行が好きで、伊豆高原はよく通る場所だったことから、親しみがあります」よしこ「電車が好きで仕事にしたいとかありましたか。運転士とかは男性にとって夢の仕事ですよね」院長「そうですよね。鉄道会社に入られたきっかけは?普通に考えると、電車が好きなてっちゃんだったのかなっていうー(笑)」
丸さん「電車は好きですけど、そこまで好きでもなかったです(笑)最初は理工系を志していたのですが、理系は違うなって思って、旅行の専門学校に行ったんです。でも、旅行系はピンとこなくて、まあ色々考えて鉄道に進みました。なのであまり、鉄道会社ゴリゴリでもなかったですね」よしこ「電車には、朝から夜中までみんながお世話になってますから、生活に欠かせないですよね。でも、結構ハードワークなイメージがあります」丸さん「駅員の時は、ずっと座ったまま定期券などを売る動作を、1 日1 0時間はやってましたから、目、肩、首、腰を酷使してましたね」院長、よしこ「きついですねー」丸さん「それから、乗務員をやりましたが、不規則でしたね。始発だと4時代に発車なので、起床が3時代だったり」よしこ「わあ~大変ですね、睡眠はとれましたか?」丸さん「仮眠所があるんですけど、どうしても線路際なので、電車の音がうるさく、寝れなかったですね…」
体内時計が狂うと…
院長「体内時計の話をしますとね、夜9時から夜中3時までが腎臓の時間なんですが、腎臓っていうのは、その時間に寝てないと働かないんです。老廃物をろ過する装置が腎臓ですけど、そのろ過する時間に寝てないと、次の日に体が火照ったり、腰の志室(ししつ:腰痛のツボ)が凝って腰痛になったりするんですね」丸さん「まさに俺ですよ!」院長「腰がカチカチになって、それが積み重なるとそこが石のようになって痛みや重さが出ます。そこに鍼をしても感じないんですね」
▲各内臓の時間帯例えば、腎臓は夜の9時から夜中の3時まで働くが、この時間に眠っていないと働きが鈍る、など
丸さん「感じなかったですね~」院長「一つはそういう人間のリズムの問題ですね。とは言え、そういう仕事がなくなったら社会が動かないですから、そういう仕事をする人も必要ですよね」丸さん「うちの会社は泊まると手当がもらえますが、泊まりってお金はもらえても寿命を縮めてるようなところもありますね」
よしこ「深夜業はやっぱり身体に負担がかかりますね」院長「それだけ、大変なお仕事なんですよね。皆さんに内臓の時間帯のことも知っていただいて、できる範囲で健康に役立てていただけたらなと思います」
10代の頃から辛かったふくらはぎ
よしこ「初診で来られたのは、いつ頃ですか?」院長「カルテを見ますと、今から6年前の2014年ですね」丸さん「はい、ちょうど、運行管理の仕事をしている頃ですね。症状としては、とにかくふくらはぎがだるい。むくむー。ふくらはぎは10代の頃からずっとだるくて、何をやっても足のだるさや重さが取れなかったんです。それと当時、こうして足を伸ばして伸びをしただけで足がつったんですよ」よしこ「それはきついですね~」
「ふくらはぎ」への鍼で足から音符が出る!?
よしこ「鍼はここが初めてだったんですか?」丸さん「はい。インターネットで『ふくらはぎ コリ治療』と検索してこのなおし家を知りました。マッサージはあちこち行きましたが、結果どこもダメで…。とにかくだるくて辛かったんですが、なおし家に来たら、もう最初の治療で足から音符が出ましたよ(笑)」よしこ「え?音符ですか??(笑)」丸さん「西荻窪駅のそば屋の横に階段があるじゃないですか。そこを、おー、軽いぞ!!って。思わず走っちゃいました!(笑)」
院長、よしこ「(大笑)」よしこ「院長、最初はどんな鍼治療をしたんでしょうか?」院長「それこそ、表層筋のマッサージでは取れなくて、深層筋には鍼をしても全く響きませんでしたね。いわゆる深い所が麻痺してる状態で、コリが骨に癒着してるんですね。鍼を骨に当てて癒着をとるっていう治療法(骨鍼)は、当時もうできていたんで、それを初回にやりました」丸さん「多分初回はコリも硬くて、そんなに深い鍼はできなかったと思うんです。でも1回目の治療でいわゆるマッサージでは無理だったことをしてもらい、足から音符が出たんですね(笑)」
なおし家オリジナル「骨鍼」(こっしん)
丸さん「私の身体は、表面の筋肉は柔らかいので、マッサージに行くと凝ってませんと言われるんですよ(笑)」院長「表面は柔らかいんですよね。でもちゃんと診ると深いところが硬いんです。ふくらはぎも表面を触るとそうでもないんだけど、中の深層筋は硬くて鍼をしても感じないくらいに麻痺してカチカチ。筋肉の筋膜は腱となって骨にくっつくんですけど、ふくらはぎも同じでヒラメ筋とか、もっと奥の筋肉は骨にくっついて、そこに癒着して硬くなるんですね」
よしこ「それを治すにはうちのオリジナルの骨鍼ですね」丸さん「だからコリ男くんですね!筋膜コリ子ちゃんと骨ぎわコリ男くんですよね(笑)」院長「よく知ってますね~。妻がつけた名前です(笑)」
丸さん「骨鍼って、やられてる方もわかるんですよね、風合いが変わるんです、コンコンコンて。あ~、骨ですねって」院長「奥が凝ってる人の場合は骨鍼をやるんですね」丸さん「3回くらい変化が起きるんですね。表面の浅いところで1回溶けて、で中に入っていって真ん中くらいで溶けて、最後、コンコンコンって骨膜に当たってるって感じー。あ~、(コリに)当たってるけど何も感じません、あー、溶け始めました、溶けましたっていうね」院長「ええ、丸さんはいつも、ああ、つかみましたねって、そのあと、溶けました!って。非常によくわかってくださってる」
丸さん「受けていて、つかんだ瞬間が一番おもしろいですね、ああ~、コリ男くん、いたな、こいつですかーみたいな(笑)」院長「コリ男くんをつかんだら、一生懸命、溶かしていく段階ですね。響きが起きるまで麻痺してるのをとっていくコリっていうのは、筋肉が層になっているんで、ひとつひとつやって(溶かして)いくんです。それをズバッと一気に刺すとダメなんですね」丸さん「コリが治療時間内に浮いてきてくれるといいんですけど、治療が終わってから浮いてくると、あ~ 、浮いてきやがったーってなる時があって(笑)」
丸さんの場合6センチの鍼を全部入れて骨に当てる
よしこ「すごい、それもわかってくださって」丸さん「最近はないですけど、以前は治療後2、3日して浮いてきて、お願いしますってやってもらう時もありました」院長「そうですね。コリが浮くって悪くなってるわけじゃなく、きちんと深層筋に当たってるから、浮いてくるんですね。良くなる過程で起こることです。でも受けてる患者さんにとっては、ちょっと違和感があったりしますね」丸さん「でも、あれは悪くなった痛さとは違いまよね」
よしこ「人によっては、表面が凝るからかえって悪くなったように感じられる方もいて。でもきちんと説明すれば、みなさん理解してくださいますね。ほんと、相互理解ですね」院長「なおし家の治療、深層筋鍼法(しんそうきんしんぽう)って、他ではやってない治療法なのでね」丸さん「一度、マッサージだと思って行ったところが、鍼をするところだったんですけど、鍼が浅い!と思いました。他の所を受けてみて改めてなおし家の治療はすごいなと実感しましたよ」