パニック障害は、心や体が苦しくても、心電図や血液検査、MRIなどの検査をしても異常を発見できないことが多いという特徴があります。
そのため、こんなに苦しいのに・・・わかってもらえないという苦しみを抱えることがしばしば。
すぐに生命に関わる症状が出るわけではありませんが、日常生活はもちろん仕事や学校などでストレスやプレッシャーがかかると耐えられない状況に陥ることもあり、一人でお悩みの方もたくさんいらっしゃいます。
当院では、延べ500名以上(2023年現在)のパニック障害の方を診察してきました。
下記に挙げた中のいずれかの症状でお悩みの方、なぜかカラダが辛いとお困りの方、動悸や発作などでお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度当院までお越しください。
なぜそのような症状が出ているのかを、専門用語を使わずに、どなたでも分りやすくご説明させていただきます。
パニック障害という病名は米国精神医学協会の「精神障害の分類と診断の手引きⅣ第3版(DSM-Ⅲ、1980)」2)に登場した名前。
パニック発作=さまざまな症状が出た時に、病院にかかると一定の診断基準の元にパニック障害と診断されます。
下記のような症状に悩んでいる方は、ぜひ一度お越しください。
そして、パニック障害と診断されていない方、精神科やメンタルカウンセリングなどにかかる前の方も、遠慮せずにお越しください。
当院は、パニック障害の施術を専門にしています。
不安感や動悸・パニックの症状は、きちんと問診&お話しを伺い、適切な対応を行うことが大事です。
パニック障害は、ここ数年特に話題になってきた病気です。
人気アイドルグループの“King&Prince” の岩橋玄樹さんや、“Sexy Zone”の松嶋聡さんが相次いでパニック障害で休養になったことが民放のニュース番組で取り上げられました。
NHKの『クローズアップ現代プラス』(IKKOさん出演)でも特集され、日本中の人にその病名が知られることとなりました。
長嶋一茂さん、堂本剛さん、星野源さん、岡村隆史さん、中川剛さん、野口五郎さん、アンルイスさん、大場久美子さん、Yuiさんなどパニック障害の経験を発表している有名人は多くいます。最近では格闘家の武尊さんもパニック障害を公表しました。
厚生労働省のホームページを見ると、「パニック障害は決して珍しい病気ではありません。一生の間にパニック障害になる人は1000人に6~9人といわれています。また、男性よりも女性に発症しやすいということもいわれています」と書かれてあります。
パニック障害は、だれもがかかる可能性のある病気です。(パニック発作そのものは、3人に1人は体験するといわれますが、発作を繰り返し、パニック障害という病気に至るのは、100人のうち3〜4人の割合だと推定されています。男女別では女性に多く、男性の3倍だそうです。)
また国内のパニック障害の患者数は1996年に約3千人だったのが2017年には約8万3千人までに増えているそうです。
この20年近くで実に27倍以上に増えているのです。
実は私も22歳の時パニック障害を経験しています。海外旅行中、突然ものすごい動悸(1分間に200回位の感じ)と世界がグルグル回るほどのめまいになりました。
心臓が元に戻ってからも、それ以後は電車に乗って電車の速さで風景が移り変わっていくのを見ると、めまいと動悸が起きてしまいました。
心臓が悪くないのにめまいと動悸を起こしてしまう事が半年ほど続きました。
今思うとこれがパニック障害だったのです。
その頃はパニック障害の事など全く知りませんでしたし、40年前そのような病名もありませんでした。
当時の私は、めまいが起きそうになると目を閉じて電車の外が見えないようにしたり、自分で大丈夫、大丈夫と言い聞かせたりして、電車になんとか乗っていました。
半年ほどすると、最初の発作を起こした時の記憶も薄れてきて、普段は忘れているようになりました。
すると電車に乗ってもめまいや動悸はしなくなっていきました。
パニック発作のことを忘れてくると、パニック症状もほとんど起きなくなりました。
幸い、短期間(半年)で回復することができましたが、パニック症状のつらさは私自身も体験しているのです。
多くの人がパニック障害の原因やその治し方・予防法を求めていることは間違いありません。
パニック障害と言うと精神や脳の病であり、精神薬や精神療法で治すのが常識になっています。
パニック障害に関する本は、精神科の医者や心理カウンセラーによるもので、パニック障害は精神や心と関係した病であるという前提で書かれてあります。
しかしここに盲点がありました。
精神科医や心理カウンセラーは触れることの専門家ではありませんから、患者さまの身体に触れることはほとんどしません。
鍼灸師である私は、触れることの専門家です。
そして触れることを通して「パニック障害の方は一人の例外なく首と胸のコリがある。そしてパニック障害の方の8割に食いしばりがある」ことに気づきました。
また首・胸のコリや食いしばりがとれてくるとパニック障害の症状も良くなっていくことがわかってきました。
臨床を通して施術法を研究していくなかで、パニック障害を良くする鍼・手技による東洋医学の施術法ができてきました。
さらに、患者さん自身でも治していけるセルフケアの方法も創ることができました。
私は今年(2023年)で鍼灸師として活動をはじめて43年目を迎えました。今までに施術させていただいた患者数は延べ11万人を超え、パニック障害のみならず、パソコン・スマホ病、五十肩、腰痛、首・肩こり等様々な症状に対して施術してきました。
なおし家鍼灸院の施術と患者さま自身でも行えるセルフケアなどを実践することで、パニック障害の症状改善ばかりでなく、からだ全体が良くなり、心身が健康になっていき、その方の夢や目標に向かって楽しい人生が送れるようになっていただければと願っています。
パニック発作→予期不安→空間恐怖(広場恐怖)へと進む
パニック障害は「パニック発作」と呼ばれる独特の発作が現れるのが特徴です。
動悸や過呼吸、めまい、気持ち悪さ、食事ができない、不安感などの症状が急に起こって、自分の意思でコントロールしようとしてもできないのです。一度発作が起きて、何週間かすると急にまたそのような発作が起きます。
一度起きた発作がなぜまた急に起きるのか本人には理由がわかりません。
特にパニック発作は電車の中(特に満員電車)や飛行機、車、エレベーター、劇場、トンネルの中、会議中、スーパーマーケットのレジなどの閉鎖された、逃げられないような場所や状況であると起こりやすいのです。
最初電車の中で発作が起きたとすると、また発作が起きるんじゃないかと、発作が起こる前から不安になることを「予期不安」といいます。この予期不安もパニック障害の特徴のひとつです。
また電車の中で発作が起こると電車の中だけではなく、発作を連想させる駅や、車の中のような他の場所にも行けなくなってしまいます。これを「空間恐怖(あるいは広場恐怖)」と呼びます。空間恐怖とは、発作が起きても「逃げられない場所」や、「助けを求められない場所」のような空間や状況に身をおくことに恐怖を感じ、そのような場所や状況を避けようとしたり、逃げ出したくなったりすることです。
ひどくなると家から出るのも怖くなってしまい、外出できないようになることもあります。うつ状態におちいる「パニック性不安うつ病」と呼ばれる症状になる人もいます。このようにパニック障害の症状は進行していきます。
私は「パニック障害をいかに改善するか」という目標をもって、この11年間、パニック障害の患者さまの施術を行い、療法をつくってきました。
そしてその療法の基になる考え方・理論が臨床を通してできてきました。
というよりパニック障害が改善されていくので、その理論の正しさに自信をもってきたという方が正しいかもしれません。
西洋医学でもパニック障害のメカニズムはまだはっきりとは解明されていません。
抗うつ薬や、抗不安薬によってパニック発作が軽減できるというところまでしかわかっていません。そういった精神薬を使ってパニック発作が軽減しても、どのように薬をやめていき、治癒に導いていくかの方法は確立されていません。
また認知行動療法などの精神療法を行なっても、確実にパニック障害が良くなるという精神療法もまだ確立されていないようです。
パニック障害の改善は約3〜6ヶ月
たいていのパニック障害は約3~6ヶ月で改善されます。
パニック発作が出なくなるなど症状が治まり、改善されたらほとんど再発することはありません。
2012年(平成24年)の1月から2023年(令和5年)3月までの約11年で500名以上のパニック障害の方を診させていただいた結果そう言えるのです。
パニック障害をからだの異常として治療
なぜパニック障害がこれまで治りにくかったかというと、精神疾患あるいは、脳の異常とだけ診て、施術していたからです。
パニック障害は精神疾患や脳の異常としてではなく、からだの異常として施術すると改善されやすいのです。
ここでいう、からだの異常とは「コリと血流不全」です。
コリは特に「首のコリ・胸のコリ・食いしばりのコリ」となって現れます。
コリによる血流不全は特に脳への血流不全となって現れます。
ですからパニック障害の原因を「首のコリ・胸のコリ・食いしばりのコリ」が脳への血流不全をつくると診て、首や胸部をほぐしたり食いしばりを改善して、脳への血流をよくしてやるとパニック障害の症状が改善していきます。
こころ(精神)からのアプローチが必要なケースは約3割
臨床を通じて感じているのは、約7割のパニック障害の方は首コリ・胸コリ・食いしばりが改善して血流が良くなることだけで、パニック発作も予期不安も起きなくなります。
残りの約3割の予期不安だけが残る方の場合は、根本原因まで見つけてカウンセリングを行う精神的な側面からの対処も必要です。
簡単にいうと、パニック障害は、からだからだけの施術で改善するケースが7割、精神からの側面も取り入れた施術が必要なケースが3割くらいであると感じています。
※ 半年以内で治すための条件
パニック障害の改善は約3〜6ヶ月と述べました。
しかしこれには条件があります。「精神薬を使っていない人なら」という条件です。
長期間抗うつ薬や抗不安薬を使っている人は、薬を減薬、断薬していくのに6ヶ月以上かかることもあります。
減薬・断薬していく速度は、その方が飲まれていた薬の種類や期間によってちがいます。
またその方が血流をよくするためのセルフケアをちゃんと行ってくれているかどうかによってもちがってきます。
セルフケアを正しく実践してくれる方ほど血流が改善されるので、早く減薬が進みます。
「首コリ・胸コリ・食いしばりのコリ」による
脳への血流不全と交感神経の過緊張
パニック障害の方には、首のコリ・胸のコリ・食いしばりのコリによる「脳への血流不全」と「交感神経(自律神経で緊張をつくる神経)の過緊張」があることがわかりました。
交感神経が過緊張になると呼吸が浅くなります。食事がおいしく食べられません。心臓がドキドキしてきます。不安感や、恐怖感が起きてきます。自分の意思でどうにかしようとしても、どうにもできないので余計焦ってきて、マイナスの思いが頭の中をループしだしてしまいます。
そしてこの過緊張がピークに達すると、パニック発作が起こるのです。
しかしそれは、その方の精神や性格が弱いからではありません。
精神や性格がつくりだしているものでもありません。これらはそれぞれちがった症状に見えますが、実は同じ原因から起こる症状です。
その原因とは首のコリ・胸部のコリ・食いしばりのコリによる脳への血流不全と自律神経の交感神経過緊張によって起こる症状だということです。
パニック障害は肩を上げて首をすくめた状態
パニック障害だと言われた方にわかってもらいたいのは、「パニック障害というのは首をすくめて首・胸や背中が緊張している状態」だということです。
肩を上げて首をすくめた格好をしてみてください。自由に呼吸することはできないでしょう。ましてやこの姿勢で満員電車に乗ったら呼吸もしづらいし、不安になってくるでしょう。不安になってくると、心臓もドキドキしてきます。それにこの格好で食事しようとしても食事が入っていかないでしょう。
よく患者さまにこう話します。
「あなたはこういう格好でいるから、パニック障害と呼ばれている症状がでてくるだけです。この緊張してこわばった格好を、フワーッと肩を下ろして首を解放してリラックスさせてあげれば、呼吸もできるようになるし、不安感もとれていきますよ」
パニック発作などの症状をつくるのは、この緊張なのです。
ですから首・胸・食いしばりのコリをとってやり、血流を良くしてやればいいのです。色々な方向からこのコリをとり、血流を良くしていけばいいのです。
続けて話します。
「安心して下さい。パニック障害って過度にこっているだけですよ。決して脳が悪いわけでも、心臓が悪いわけでも、胃腸がおかしいわけでもないですよ」
すると、患者さまも「なんだそうなんだ。精神の病気じゃないんですね」と言われ、少し安心したような表情になられます。
この「治るかも!」と患者さま本人が希望を持つことはとても大事なことです。患者さまの自己治癒力があがっていくことを私自身感じています。
なぜパニック発作が起こるのか?
先に述べたように、首や胸がこってくると脳への血流が悪くなります。
そして交感神経が緊張します。交感神経の過緊張がピークに達してしまうと、動悸、過呼吸などのパニック発作が起こります。
例えば怒りがMaxになった時を想像してください。
怒り心頭と言いますが、怒りで緊張が最大になるとその時は、頭に血がのぼり顔が赤くなり、血圧も上がり手足が震え、心臓もドキドキします。
自分で意識していないのに勝手にこのような症状が出てきます。
これが怒りによって交感神経の過緊張がピークに達する一つの例です。
パニック発作の場合、交感神経の過緊張がピークに達する原因は怒りではありません。
パニック発作の時どうして動悸が起こるかというと、首・胸が硬直しているため、特に後頭下筋群のコリが自律神経の中枢である脳幹にある視床下部を圧迫して交感神経が過緊張になります。
するとすぐに副腎髄質から副腎髄質ホルモンである「アドレナリンとノルアドレナリン」というホルモンが放出されます。
また副腎皮質からはストレスホルモンと呼ばれている「コルチゾール(副腎皮質ホルモンの一つ)」が放出されます。
すると心臓の拍動が増し動悸が起き、心拍数や血圧が上がります。
心臓がドキドキしてくると不安感、恐怖感が起こってきます。
そうなるとリラックスした深い呼吸ができなくなり、呼吸も浅くなり、過呼吸になります。
これがコリから診た脳への血流不全と交感神経の過緊張から起こるパニック発作の成り立ちです。
後頭下筋群も首の奥にある深層筋なので、深層筋が硬直してコリが記憶されてしまうと、そのパニックのコリはひとりではほぐれず、残りつづけてしまいます。
そのため何ヶ月・何年も予期不安のパニック発作が起こり続けてしまうのだと思います。
これがコリから診た予期不安のパニックの正体です。「後頭下筋群のコリがほぐれてくると、予期不安のパニック発作が減ってくる」という臨床結果の事実からこのことが言えるのです。
ですから、予期不安のパニックを改善するには、記憶されている後頭下筋群などのコリ(パニックのコリ)をほぐしてやればよいのです。
コリがほぐれると、脳(視床下部)に異常信号が送られなくなるので、パニックの発作も次第に起こらなくなっていきます。
パニックで起こる胸部のコリもほぐしておくと、過呼吸や不安感も少なくなります。
深層筋に記憶されるコリは、後頭下筋群のコリばかりではありません。
食いしばりによって、側頸部(首の横面)の表層筋である「胸鎖乳突筋」・奥の深層筋である「斜角筋」と、側頭部の表層筋である「側頭筋・あごの咬筋」などにもコリが記憶されます。
これらの筋肉のコリも脳への血流を不全にしてパニック発作を起こす原因になるので、食いしばりを改善するとパニック発作が軽減します。
後頭下筋群や胸鎖乳突筋・斜角筋・側頭筋・咬筋などのパニックのコリをほぐすのには、鍼が一番適しています。なぜなら鍼は深い所にある深層筋のコリにも直接届くからです。
そしてそのコリがどのような状態かがわかります。
鍼先をそのコリに届かせてコリをほぐすと、硬かった筋肉がほぐれ筋肉が元の正常な状態となります。
するとめまい、不安感などのパニック症状も楽になっていきます。
なおし家鍼灸院ではパニックのコリを鍼や手技でほぐしています。
これらの筋肉のコリ(パニックのコリ)は自分自身でもほぐせるので、セルフケアとして患者さまにお伝えしています。
パニック障害が改善されていく過程
なおし家鍼灸院のパニック障害療法によって、パニック障害の方が改善していく一般的な過程は次のようになっています。
当院ではスタッフ全員、パニック障害の施術ができますので、安心してご来院ください。