柔芯体メソッドの稲吉優流さんと対談

稲吉さんとの対談

2019年9月3日 なおし家 鍼灸院にて、稲吉優流さんと対談を行いました。インタビュアーは、なおし家スタッフのY子です。

稲吉さんと角谷院長、二人の出会い・ ダンサーと鍼灸師

(Y子)―お二人はいつ頃、どこで出会ったんですか?―

角谷「二人とも20代でしたね。正確には1986年。私は“赤ひげ堂”という代々木の鍼灸院の副院長をしていて、まさに修行の時代。
そこに患者さんとして治療にきてくれたのが、稲吉優流(いなよしまさる)さんでした。」

稲吉「僕は、当時“アロックダンスカンパニー”という所に所属して、シアターアプルでなんかで踊ってました。幸い、30才になるまで、大きな怪我はなかった。でも、股関節や肩がもっと柔らかくなりたいと思って、代々木の赤ひげ堂で出会ったのが角谷先生でしたね。」

稲吉優流 : 振付家 ・ ダンサー育成家 ・ 柔芯体メソッド創始者。

角谷院長が惚れ込んだ世界レベルのダンス!!

(Y子)―稲吉さんのダンスはすごいって、院長からよく聞いてます!ダンス歴を簡単に教えていただけますか?―

稲吉「高校時代から自己流でダンスをしてました。小さい時から少林寺拳法をやったり、空手をかじったりしてね、強さじゃなくてカッコよさに憧れてた。

高校1年の時、初めてディスコに行って自己流で踊って、ダンスってなんて楽しいんだろうって。それで即興で踊るようになり、コンテストに出たら、そこそこ勝てるようになった。ある方の内弟子になった後、ミュージカル劇団に入りました。ピーターパンに出たりね。

その頃から僕は、大きな舞台に立ちたいというより、小さくても自分のダンスがしたい、ダンスで人に何か伝えたい!という想いがあった。それで、出会ったのが“アロックダンスカンパニー”でした。20才から29才まで、10年間お世話になりました。」

角谷「私は、もう彼の大フアンでね!大体のダンス公演は見にいきましたよ。もうねー。彼のダンスはメチャクチャ凄いんですよ。当時から、彼は世界レベルでダンスがうまかった!」

二人の過去

角谷「当時、極真、アロック、赤ひげ堂って、修行で一番きつい団体だったね、(笑)」

稲吉「そうそう、お互いよく頑張ったなー。時には角谷先生のアパートにお邪魔して、二人の夢を語り合ったりしましたね。」

角谷「その頃から、稲吉さんは世界一になりたいって言ってた。それがまさに、実現したわけだけど。私にとっても、ずっと目標にしてた人であり、ライバル的な存在でもありました。」

稲吉「僕にとっても、年齢は僕より上だけど、独立した年が同じだったり、すごく刺激になる存在でしたね。」

角谷院長の施術を受けて

「内側の整形外科」!?

(Y子)―稲吉さんが、最初に角谷院長の施術を受けた時の印象は?―

稲吉「最初の施術の切り口、入り方がちがうんですよね。ふわぁ〜とおだやかで、『どうですか〜』って」

角谷「ちょっとなまってるからなあ〜(笑)」

稲吉「で、身体が変わったというのが、はっきり感じられましたね。固まっていたものが、バーと広がる、氷が溶けていくような、固体が液体に変わるような感じですね、それを僕は電気が走りましたと表現するんですけど。体が繋がり、循環していくっていうのが、はっきりわかるんですよね。

他の患者さんもいるし、先生のエネルギーも無限じゃない、でも、その時できるマックスの治療をやってくださる。毎回『足つける!』『靴履いても痛くない』というように確実に体が変化しましたね。

稲吉さんとの対談

言ってみると、“内側の整形外科”って感じかな。

普通の整形外科は、切るか縫うか、固めるかで、治療する方法。角谷先生は、全部方法論を持っている。魔法じゃないから、急に消えるわけじゃないけど、施術を受けると身体の変化を実感できる。」

角谷「“内側の整形外科って表現は、嬉しいなあ〜。(照)」

寄り添ってくれる安心感

稲吉「それと一番は、寄り添ってくれるっていう安心感ですね。角谷先生の持ってる知識と技術はもちろんだけど、信用できる、安心させてくれるってことが一番ですね。

くるくる回って跳んでた人間が、松葉杖ついて、家でやけ酒飲んで、天井見上げるような自堕落な生活になってしまう…。そんな辛い現実を忘れたいと思ってる人間の救いになってくれたんです。」

角谷「夢を持って頑張ってるアスリートの方って、ホントに応援したくなるんですよね。お役にたてたのは、施術家として嬉しい限りです。稲吉さんには、ずいぶんたくさんのダンサーの方を紹介してもらいました。」

ヘルニアの役者さんが3ヶ月の鍼治療で仕事復帰

稲吉「ダンサーや友達、役者さんとかも紹介してお世話になりました。森本レオさんのお弟子さんのS君はヘルニアで、外科手術したらもう車イスって言われてた。動けない、立てない、何もできないっていう状態で、彼を紹介したんだけど、角谷先生の施術を受けたら歩けるようになって仕事に復帰してね、感激して電話がありましたよ。稲吉さんありがとうございましたって。

S君には、どのくらい鍼治療をしたんでしたっけ?」

稲吉さんと角谷院長

角谷「3ヶ月くらい通ってもらいましたね。最初は、腰が痛むのと足がしびれて歩けませんでした。整形外科では手術するしかないと言われたそうですが、週1・2回の鍼治療をしました」

稲吉「施術する人は、人の人生を預かってますからね。」

角谷「私は、もう鍼が大好きで、だからやってこれたんだと思います。」

稲吉「25年間、この西荻窪で変わらず続けてるっていうのがすごい。街は日々変わってる。でも、西荻に来ると落ち着いたー。居心地の良さがここにはあったなあ〜。
結局、人が来た時に力が抜けるような空間じゃないと、そもそも治療なんてできない。

治療室に入って息が緩んで、ふぁ〜となる空間―。

角谷先生は、私は先生です、っていう圧がないんですよ。圧がある人は、患者さんが緊張しちゃうんでつながらない。鍼っていう繊細なものを入れるわけですからね。」

(Y子)―いま、二人が活動されていること、夢中になっていることや、これからの夢を自由に語ってくださいー

ダンス世界大会でグランプリ!!

稲吉さんの夢

角谷「稲吉さんは、それこそ、若い頃の夢が実現してダンスの世界大会でグランプリを取った。ほんと、すごいことです。」

稲吉「4年前、3年前とバルセロナの世界大会で連続3冠を、2016年には、グランプリをいただきました。」

角谷「ほ〜、ジャズダンスで?」

稲吉「ジャズやコンテンポラリーなどのカテゴリーで1位、民族舞踊など全部含めた総合でも1位をとらせてもらいました。」

角谷・Y子「おー、すごい!」

振付師としての夢は叶えた

稲吉「どんな仕事の人でも、その人の仕事のフィールドってあると思うんですけど、僕の場合はバックダンサーとか芸能とかじゃなくて、やっぱり舞台のダンスをつくって海外に出したいっていうのが変わらない夢でした。で、これまで舞台のダンスを何十本かつくり、世界16都市で出すことができた。ダンサーも6000人くらい育てました。そして、世界大会でグランプリをとり、振付師としての夢は叶えました。やり遂げたと思いますね。」

角谷「海外で、っていうのはずっと言ってたよね。ほんと、すごいなあ〜。」

稲吉「でも、夢は叶えて終わった瞬間から、終わっちゃうんですよ。その時はちょっと燃え尽き症候群になっちゃったかな。」

体と動きの文法「柔芯体メソッド」

稲吉「今も教え子は育てています。先日も僕のダンスを学んでる10歳の女の子が、ロサンゼルスで賞を取りました。でも仕事のメインは、“柔芯体メソッド”という僕オリジナルのものを軸にした活動ですね。自分は何で世の中に貢献できるだろうと考えたときに、せっかくダンスを長いことやってきて、体の動きの勉強もしてきたので、それを活かそうと。」

稲吉さんの柔心体

角谷「柔芯体メソッドっていう、ネーミングもまた素晴らしいよね。具体的にどういう活動をしてるんですか?

稲吉「プロのアスリートやトップトレーナーが僕の所に習いにきています。ヨガやピラティスみたいな社会的認知はないですけね。体の動かし方、体と動きの文法という形で教えさせてもらってます。」

角谷「体と動きの文法、面白いなあ〜」

稲吉「同じ振り付けでも、A君は早くできるけどB君はなかなかできない、ってなんでだろう、ってずっと思ってたんですよ。そしたら、声帯にもアルトとソプラノがあるように、体の動かし方にも、骨盤の傾きや肩甲骨の位置で違うんだってことがわかり。あとは気質によって。テンパる人や、胸郭が閉じてる人は呼吸が浅いんで緊張しがちで覚えが遅いとか。だから、体の公文式みたいなものをつくれるといいなあとー。」

角谷「体の公文式!」

稲吉「ええ、世の中誰でもできる健康法みたいなものに行き着ければ。健康法も色々あるけど、不健康にしちゃう健康法もいっぱいあるんですよね。小学生が野球で肘を痛めるなんてこともー。学校体育でもいきなりスポーツの競技をやらせてしまって、体の動かし方のノウハウを教えてない。だからそこを教えたいと思ってますね。」

角谷「全く同感だなあ。」

稲吉「バスケット選手、ボウリングの選手、キックボクシングのチャンピオン、オペラ歌手の方なんかも来てますね。歌手の方も、結局、体の軸が通って緩めば、声が響くんですね。重心の上にたつ原理原則とか、リラックスすること、一番よどみなく立っていれば、一番いい動きができるんで。

マッサージなど受けた後で、なんで戻っちゃうかっていうと、立ったときに立ち方、歩き方の癖があるから、それを脳が覚えていてあえて痛みやすい方に戻っていくんですね。それを入力し直す、初期化する運動の仕方を指導しているんです。」

角谷「なるほど。」

稲吉「その普及をしながら、僕の目標は、後進を育てること。メソッドも6年前と変わっているので、来春に、新しく本とDVDを出すことですね。」

角谷「それはいいなあ、稲吉さんの経験に基づいたオリジナルの世界、進化してますねー。」

現代病には「深層筋鍼法」

独自の鍼治療と理論と教え方が完成 

稲吉「そういう意味では、角谷先生の鍼もオリジナルですよね。他の鍼灸院ではないですよね。」

角谷「はい、自分のオリジナルです。」

稲吉「角谷先生はこの先、どうなりたいんですか?」

角谷「今、うちの患者さんは、パソコン・スマホ病といったデスクワークの疾患とパニック障害の方が多いんですよ。鬱の方や、精神的な人も結構多くなってきました。以前、体からパニック障害を施術する療法をつくって、8割くらいの方は対応できても、2割くらいの方は、心が原因な為に、なかなか難しいんですね。

だから、“心”や“意識”の世界ももっと研究していきたいですね。それは、体と心を統合した新しい分野の世界になっていくんですが。これは、とても興味深くて面白い世界だと思います。」

稲吉「心の分野は、一歩間違うとスピリチュアルになりますね。学問的に実証できるかたちを見せられないと。」

世界中の鍼灸師が「深層筋鍼法」を使えるようになるのが夢

角谷「自分は、スピリチュアルとか、その人だけの技術とかは全く求めてないんです。きちんとした理論があって、誰でも使えるもの、というものをいつも目指してきました。自分の鍼治療法に関しては、“深層筋鍼法”という名前にして、私独自の施術法と理論と教え方ができました。

8年間、毎年3ヶ月の講座をやってきましたが、それが自分にとっても良かった。教え方もはっきりして進化してきましたね。これを外に出して、世界中の鍼灸師がこの深層筋鍼法を学んで、使えるようにするのが私の夢ですね。」

稲吉「最高だなあ〜。鍼灸師は資格も持っていて基礎があるから、そういう人がそのテクニックを学べればいいですよね。」

角谷「鍼灸師はみんな、“深層筋鍼法”に魅力は感じると思いますよ。なぜなら、深層筋鍼法は現代病に対応できますから。
パソコンから起こる病気とかパニック障害とか鬱とかー。そういう症状で悩んでる方はとても増えています。」

稲吉「確かにそうですね。鍼を考えてみると、先生の体も鍼も止まってないから、きっとスイッチ押すように鍼から出る振動みたいなもの、波動、エネルギーみたいなものが鍼を通して体の中に伝わるからなんじゃないかな。体の中でファン、ファンファ〜ンって固まっていたものが繋がっていく、消えてた電気がピカッとついていくような、それなんじゃないかな。」

角谷「実は、水晶をたたくと電気が出るらしいです。人間の骨も衝撃を加えると電気が出るんですね。“ピエゾ電気効果”というらしいですよ。私の鍼は骨、骨膜にもやるので、そこに何か意味があるような気がしますね。」

稲吉「確かに、鍼をされてるとコリコリされてるのが、わかりますもんね。骨に鍼するというのは?」

角谷「私のオリジナルです。骨膜を刺激すると電気が出たり、若返りホルモンが出たりと、そういうことを科学的に研究すると面白いだろうな。ますます鍼に未来を感じます。」

二人でコラボ!!

稲吉「角谷先生のように、体を整える人たちの見事さと、僕らはパフォーマンスでいかにより良く動くかということを伝える仕事をしていますけど、お互いがすごく密着している。僕は、体を治すことができないけれど、ゼロをプラスに上積みすることはできると思っています。お互いの持っているものを活かして、二人でぜひコラボしたいですね。」

稲吉さんと角谷院長の笑顔

角谷「私も望むところです。症状が出なくなってもその原因となっている体や意識の使い方をマスターしてないとまた繰り返すことになってしまいますから。
ぜひ稲吉さんとコラボしてワークショップやりましょう!」

ー本日はありがとうございましたー

2019年9月3日 なおし家 鍼灸院にて対談

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