ITの道で35年の橋本吉治さん:パソコン病や背中の山脈コリを克服。

2019年11月9日、なおし家鍼灸院にて対談。インタビュアーは、すがこ(院長の妻)です。

院長「今回は、なおし家鍼灸院の患者さんで、現在、ジモティーに勤めておられる橋本吉治さんに来ていただきました。橋本さんは患者さんでありながら、ご自身の身体を通して、パソコン病特有の症状に効果的なセルフケアを熱心に研究された方です。パソコン病に二人三脚で取り組み、まさに同士とも言える間柄です。」

ジモティーの橋本吉治さん:パソコン病によるめまいや山脈コリを克服

すがこ「ジモティーには、色々お世話になっています。(笑)今日は、現代人の多くが悩んでいるパソコン病に焦点を当てて、どういう治療やセルフケアをして克服されていったかを中心にお聞きしたいと思います。簡単に自己紹介をお願いできますか?」

橋本吉治さんの紹介:パソコン、ITの道で35年

橋本「ジモティーには2016年に入りました。入ってからはしばらくエンジニアのマネージャー職をやっていましたが、今は若い子に任せ、現在はまた、プログラミングを書いている毎日です。大学は石川県にある“北陸先端科学技術大学院大学”という所に入りました。その頃は大学院しかない大学がいくつか創られたんですが、そこもそういう大学です。パソコンは、小学校の頃にではじめたんですが、その頃からのつきあいです。姉に習ってピアノをやったり、友達と水泳を習ったりしましたが、どちらもダメで、小2の頃から、ずっとパソコン。今、43歳なのでもう35年くらいですね(笑)。」

橋本さんの自己紹介

すがこ「本当に、パソコン関係がお好きだったんですね。その大学院を卒業してからは?」

橋本「卒業後、大手シンクタンクのIT関連部署に13年いました。そのあと、友達の会社を2年位手伝って、それから今のジモティーに、という流れですね。ジモティーも入った時は人数が少なかっですが、今はかなり大きくなってきているのですごいなと思っています」

すがこ「なおし家鍼灸院に来られたのは、ジモティーの頃ですか?」

院長「初診で来ていただいたのは、確か5年前の2014年でしたね。なので、ジモティーに入られる前ですね。」

橋本「そうです。前の会社で新しいサービスを始めた多忙なときでした。ある日、朝起きると、目の前がぐるぐる回りだしてしまって・・・。平日は気力でもつんですが、土曜になるとめまいがして。ひどいときは、半日めまいがある状態が1カ月くらい続きましたね。妻がなおし家鍼灸院に通っていたので、紹介されて通いはじめました。」

「めまい点」の鍼で花が開く!?

すがこ「最初は、どんな鍼治療をされたんでしょうか?」

院長「かなり首がこっていました。それでまず、首のコリをとるのに、首とつながっている腕の筋膜、肘や手首の筋膜に鍼をしました。
それから、めまいのおきるポイント、『めまい点』と私はよんでるんですけど、耳の下の付け根(ツボ名・えい風)から、首がこっていたので鍼をしました。」

橋本「最初に鍼をしてくれた姜先生からは『鍼をうってもうってもキリがありません!』と言われるくらいひどかったみたいです(笑)でも、角谷先生にそのめまい点に鍼をしてもらうと、表現がおかしいかもしれませんが、バーン!!って花が開くような感じだったんです!」

すがこ「えっ?花が開くんですか?(驚)」

橋本「鍼で、ああ〜ゆるんできたなあと思ってると、キュッ、キュッ、キュッ、バーン!!って感じなんですね。(笑)」

すがこ「それは、どういう…?(笑)」

院長「鍼でコリが取れて緩み、血流が一気に良くなって流れ出したので、バーンと感じられたんだと思います。」

めまい点

▲めまい点のツボ

めまいのメカニズム

ファシアがよじれる

院長「今話題になっているのに『ファシア』(筋膜)がありますよね。ファシアって、コラーゲンの繊維で綿菓子みたいなものなんですけど、ずっと同じ姿勢でいると、糸玉が絡むように筋膜がよじれるんです。よじれると、固くなってそれがコリになるんですね。例えると、筋肉がキャンデーだとすると、それを包んでる袋が筋膜で、その端っこがよじれているのが骨についていて、それが『めまい点』。そこが固くなると耳の奥の内耳を刺激して、それが三半規管に影響を与えるんです。三半規管ってバランスをとる働きをしているから、めまいになるというわけですね。」

すがこ「ほ〜、めまいってそういうメカニズムになってるんですか。」

院長「めまいって、例えば耳鼻科に行くと、耳石(じせき)がおかしいと言われたり、内科に行くと高血圧と言われたり、その専門によって解釈が違うんですね。
高血圧でも、胃がおかしくても、目の異常でもめまいは起こりますから。でも、共通しているのは、『首のコリ』なんです。だから、首のコリをとって血流を良くしてあげれば、めまいはでなくなるというシステムなんですね。」

橋本「本当に一回の鍼でめまいが起きなくなって、びっくりしました。接骨院に通って集中的にマッサージしてもらってもここまで効果は出ませんでした」

「鍼」は、筋肉の表面と奥を自在に施術できる

院長「揉むと鍼の違いについて話すと、揉むのは表面しか刺激が入らないから、表面にあるものはそれで良くなっていくんですね。でも、もっと奥に原因のあるものはそれでは取れないんです。鍼の良いところは、長さが自在に調節できるから、表面から骨のところまでできるというのが特徴ですね。」

橋本「ずっと鍼をしてもらってますけど、改めて、その表面の鍼と、もっと奥の鍼のやり方は、どこが違うんですか?」

院長「筋肉ってさっきも言ったように『筋膜』という膜に覆われているんですが、ずっと同じ姿勢をしていると筋膜がよじれてしまってコリになるんですね。その筋膜のよじれを取るのは、溶かすようなふわっとした鍼で、『筋膜鍼法』って呼んでます。それが表面のコリですね。で、筋膜は膜なんで最終的に骨にくっついているんですが、もっと奥になるとコリが骨ぎわにくっついているんですね。そのコリは溶かすというより、コンコンコンと骨に鍼するような感じですね。そしてコリが緩んでくると、“ひびき”が起こるんですね。ズーンと。それが鍼の醍醐味、面白いところですね。その奥の鍼は『深層筋鍼法』と呼んでいます。」

橋本「筋膜の療法って、生理食塩水を打って無理やり筋肉を広げて膜を広げるっていうのも、最近出てるんですね。でも、首を食塩水で膨らませられるのは怖いんで。
鍼も怖いですけどね(笑)。でも不思議と角谷先生に対しては、最初から信頼感があったので大丈夫でした。」

すがこ「そんな療法もあるんですか、知らなかった〜(笑)。めまいがおさまって、他にも何か症状はあったんでしょうか?」

橋本「高校生の頃から冬になって寒くなると、アゴが開かなくなるという症状があったんです。でも、なおし家鍼灸院に通ったその年から、その症状が出なくなりました。」

実践したセルフケア

橋本「ここで教えてもらったセルフケアが、ものすごくたくさんあるんです。その頃、角谷先生に代わって中島先生に診てもらってたんですが、中島先生からまず、お腹の揉み方を教わりました。それは、今でもずっとやっていますね。」

院長「それは、腸のマッサージですね。お腹が柔らかくなると、全身の血流が良くなるんですね。」

すがこ「お腹をもんでいて、何か変化はありましたか?」

橋本「その頃、30代後半で手足が冷えるように感じていたんですが、お腹をもんでから冷え性が少し良くなりました。  それと、腕のこのツボ、これも一生懸命やってましたね。」

院長「ここが、首のコリを取るための場所、ツボですね。首とこの腕が筋膜で繋がっているので、腕のコリを骨からはがすように指圧すると、筋膜のよじれが取れて、首コリも解消されるんです。」

腕を観ている

▲首コリをとるためのツボ

橋本「毎回来ると、先生にここを鍼で打ってもらうんですが、この腕のコリをなるべく作らないようにすることが、首のコリを作らないということを教わりました。

院長「そこはとても大事なんです。腕がこらないようにすると、首のコリも作らないんです。首コリを作ると、いろんな症状―めまい、五十肩、高血圧、メンタルにくるとパニック障害や鬱…といったものが起きやすいですから。」

橋本「そんなセルフケアもしながら、週に一度通っていました。しばらくして、中島先生から『もう、首は大丈夫ですよ』といわれました。」

院長「カルテを見ると、1週間に1回通院していたのが、5回くらいの通院で、2、3週間に1回の割合になっていきましたね。」

多忙をきわめ、腕のしびれなどで、再来院―

橋本「そうして1回よくなったんですが、今の会社に入った頃、ちょうど組織拡大のときで、結構大変な時期だったんです。頭がスッキリせず、気分が重い状況が続くようになって、もしかしたら、鬱一歩手前だったのかもしれません」

すがこ「それは、大変でしたね。また、めまいを再発されたんですか?」

橋本「特にめまいはなかったんですが、不安はあったので角谷先生に首の鍼はやってもらってました。今度つらかったのは、首コリではなくて、腕のしびれでした。
で、腕のしびれの原因は、肩甲骨じゃないか、首じゃないかって、角谷先生と試行錯誤させていただきました。」

院長「橋本さんの体のコリの状況を見て、腕がしびれて痛いというその原因は、背中のコリにあると考えました。背中の頑固なコリがあるから、腕のしびれや痛みになったんだろうと判断しました。」

すがこ「コリが腕のしびれを出すというのは、どういうことですか?」

院長「肩甲骨や首、背中は、腕と筋膜でつながっています。筋膜のコリが硬くなって、神経を圧迫すると、筋膜でつながっている腕や指にしびれや痛みが出るんです。橋本さんの場合は、特に背中のコリがひどかったので、それが原因で腕のしびれになったという訳ですね。」

橋本「父親のかかりつけの治療院で吸玉をやってもらったことがありますが、『背中の血液がどす黒いですよ』っていわれるくらい背中がひどかったんです。角谷先生に見てもらった時、あまりにひどかったのか『背中が、肩から腰まで盛り上がっていて、まるで山脈のようですね、”山脈コリ“だこれは』って角谷先生に言われました(笑)」

背骨沿いの山脈コリ

院長「山脈コリ、我ながら、いいネーミングだなぁ(笑)。背中は筋肉が4層くらいになっているんですが、浅い所も深い所もかなりこっていましたね。」

橋本「角谷先生が『首コリは良くなったから、今度は背中。背中は難しいけど、背中の勝ちパターンを一緒に作っていきましょう』と言ってくださり、じゃあ、一緒によくしましょうということになりました。」

二人の共同作業で「山脈コリ」に挑む

すがこ「山脈コリに、二人でどうやって取り組んだんでしょうか。」

院長「鍼治療としては、コリが深い層にまであったので、深層筋鍼法を行いました。カルテを見ると、3カ月後には、山脈コリが少し平らになってますね。」

橋本「山脈から『高原』になりましたね。(笑)」

院長「橋本さんは、こちらの治療に頼るだけでなく、セルフケアの方法をご自身でも一生懸命に研究してくれました。とても心強かったですよ。」

橋本「コリはその人の普段の姿勢によるものだから、癖になっている姿勢を自分で理解しないといけない。そして癖になっている姿勢の逆をやってあげないといけないんですよね。それで、背中のコリが取れるストレッチを自分で考えてみたんですよね。でも試してみたけど、なかなか効かない。普段の姿勢の逆を見つけるというのが、結構大変でした。」

院長「確かにそうですね。それとストレッチは、表面のコリは取れるけど、奥までこっている所を取るのは、なかなか難しい…。」

橋本「取れる人もいるけど、プロのダンサーレベルじゃないと無理ですね。知人にダンサーがいるけど、筋肉の動きを全部知っているから、自分でやれるかもしれませんが、エンジニアには、なかなか難しいです(笑)。」

すがこ「なるほど。」

橋本「それでも、山脈コリの原因は何だろうと角谷先生と話しながら模索してました。で、ある日、左腰を前にして座っているからじゃないか、微妙にひねってるからじゃないかと。それで、ひねりをもとに戻してやってみたら、これが効いたんですよ。『あー、そうかあ!』って嬉しい発見でしたね。」

すがこ「へー、それはすごいですね!二人とも、物事を追求するタイプなんですねー。(笑)」

院長「私は、からだを良くする方法を創るのが、趣味ですから(笑)。そのストレッチの効果もあり、背中のコリは、山脈から高原になり、その後平地になっていきました。(笑)とはいえ、今でも深層まで鍼をすると、まだコリはありますけれど。地中ですね(笑)。」

笑顔の二人

橋本「ははは。長期戦ですね。」

院長「そうですね。私の経験からすると、山脈コリは10年単位で作られていますね。そう簡単には作られない。」

橋本「確かに。『JRubyシステム構築入門(翔泳社刊)という本を2010年に出版してその時、吸玉で背中がどす黒いと言われたのがその時ですから、もう10年経ってますね。」

院長「いかに背中の山脈コリは、年数がかかって作られているか、また解消するにも年単位かかるかということですね。」

すがこ「デスクワークの方には、そういう症状で悩んでる方が多いんじゃないでしょうかねぇ。」

橋本「結局、施術家で、山脈コリまでできる人はあまりいないと思います。」なんて言うんだろう、“体の癖”ですしね。体の癖・生活習慣病の医者って少ないなあと思います。でも、角谷先生はそこの試みをやられていて、僕としては少しずつ成果がでてきてるなあと、思っています。」

院長「かなり出ていると思いますよ。山脈コリに取り組んで約2年で、山脈が平地になったんですから(笑)」

橋本「でも、先生にただ鍼を打ってもらうだけだとダメなんでしょうね、多分。」

院長「そうなんですよ。その原因がわかって自分でもケアをしてもらって、より変わっていくというのがありますね。」

橋本「だから、ほんと、共同作業ですね。先生の技がなければ自分だけではどうにもならないし、先生の技だけでもダメなんですよ。習慣でコリができるので。」

すがこ「なるほどー。患者さんと先生との関係が大事ですね。頼るところは頼って、でも、依存しすぎずという…。」

院長「依存してもね、簡単な症状はとれるけど、慢性化して原因がずっとそのままだと戻りますもんね。だから、本当に共同作業ですね。原因を探しながらそこを改善していくというー。」

橋本「まさにそうですね。僕としては、角谷先生の良さがうまく世の中に伝わればいいなあと思ってます。救われる人がいっぱいいると思うんですよ。僕は少なくとも大変なときに救われて、なんとか自分を失わず、倒れず、どうしようもなくなる状態にもならずにすみました。角谷先生たちにうまく頼りながら、共同作業をしていければ、かなりの健康改善ができると思います。」

今後の展望(夢)

橋本「ひとまず自分が仕事でパフォーマンスを出せる体づくりはしていきたいですね。まだまだ、これから働かなければならないので。そのノウハウができてきたら世の中で同じような課題を持っているひとたちに伝えられることはしたいです。特に、エンジニアの心と体を健康に保ちながら、自分の能力を伸ばすことを幸せに感じられること手助けするようなことが仕事になればいいなと思っています。」

院長「鍼灸師は、国家資格を取って卒業しても、実際の施術をできる場がなかなかないのが現状です。2〜5年は施術経験がないと独立もできないけれど、そういう環境がない。なおし家鍼灸院でそういう環境を創っていきたいと思っています。デスクワーク疾患の方には、特に、なおし家鍼灸院での鍼が貢献できると思っているので、ずっと前から、企業内に施術室を作ってその企業内施術室に鍼治療できる人を派遣したいと考えていました。鍼灸師にとって企業内施術室は経験を積める場としても貴重です。橋本さんと連携できるなら、そこを開拓していきたいなあという夢がありますね。」

すがこ「今日は、貴重なお話しを伺えました。橋本さんありがとうございました。」

三人の笑顔写真

橋本 吉治(ハシモト ヨシハル)
株式会社ジモティーに所属するエンジニア。日本Javaユーザーグループなどエンジニアコミュニティへの参加や、エンジニアのこれからのよい生き方とは何かについて興味を持つ。大手シンクタンクにてシステム構築、技術コンサルティング、新規事業立ち上げ等々の業務経験を積み、2014年よりベンチャー企業にてチャットボット事業立ち上げとそのシステム開発に従事。2016年より現職。主な著書に『開発のプロが教える標準Eclipse完全解説』シリーズ(アスキー刊)、『JRuby on Rails システム構築入門』(翔泳社刊)。訳書として『RとRubyによるデータ解析入門』(オライリー・ジャパ_ン刊)。

対談に出てきた、なおし家鍼灸院の元スタッフで現在独立して頑張っているお二人を紹介します。

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