なおし家鍼灸院
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転んで左腕と膝を痛める
石原さん「去年(2019年)の11月、温泉で滝つぼのところで遊んでいたら、ズコッと転んで深い所に落ちちゃったんです。その時ここを強くぶつけてしまって」院長「左の腕ですね」石原さん「ええ、右膝も痛めて整形外科へ行ったら骨が黒ずんでいる、多分内出血だと。治るけど時間かかるよって言われたんです。本当に歩くのが大変だったんですが、そこの痛みが取れると今度は左の肘が痛くなって。そこもなんとか我慢していたら今度は、左腕の激痛とシビレを発症して、なおし家にきたのが今年の3月でしたね。仰向けに寝ても全く左肩をつけられない感じで」
石原さん「そう、ビーーンと電気が流れる感じだったんですよね。あと肩甲骨と背骨の間と胸の痛みもあってどうしようもないなって。そういえば数カ月前にうちの女性編集者が、この前角谷先生とこ行きました~って、言ってたことを思い出して。それで角谷先生に治してもらおうと思って伺ったのが最初でした。この痛みは取れないんじゃないかなと、覚悟を持ってきた感じでしたね」院長「その時は夜も眠れなかった感じですね」
石原さん「その時、整形外科でもらった薬がロキソニンって鎮痛剤だったんですが、角谷さんに言われてよく覚えているのは、神経そのものは問題なくて神経が圧迫されることによる痛みですね、と。ですから神経そのものに作用するロキソニンは、特に必要ないでしょうと。ああ、なるほどと思ってすぐロキソニンをやめましたね」
頚椎症と五十肩を併発
石原さん「それと痛みが首に隠れていたのは、角谷さんによって気づくことができました」院長「最初見たとき、病名でいうと頚椎症と五十肩を併発してました。腕も上がらなかったし。そのままじっとしていても痛くて夜も眠れないってことだったので、急性期、炎症期でしたね」石原さん「変形性頚椎症というのは、整形外科でレントゲンを撮ってわかってたんです。でも五十肩は、もぐってた感じなんですね、僕にとっては。五十肩は2、3年前にやったような記憶があったんですが、両方一緒に起こしてたっていうのは、わかりませんでした」
院長「五十肩は急性期で、しかも普通は手にシビレは起きないんですけど、シビレがおきてる五十肩だったので、頚椎の神経が圧迫されてるな、っていうのがわかりました。それで、治療が始まったんですよね。炎症の時は、患部に直接鍼ができないので、血流をよくする治療を行い、炎症を早くおさめるようにしていきました」石原さん「そうですね、それはすごく効きましたね。もうイタイ、イタイって言ってたんですけど、角谷さんが肩甲骨の骨のところを押してると思っていたのが、実は骨ではなくでコリだったという(笑)それはびっくりしました」院長「肩甲骨の所は腕にも効くし、実はシビレをとるツボでもあるんですよね。その肩甲骨のコリが(神経を)圧迫してるとシビレが腕にくるのが酷くなるということがある。(肩甲骨は)しびれのツボでもあったんです。でそこに鍼をしましたね」
ペインクリニックも利用しながらつらい炎症期を乗り越える
石原さん「それと角谷さん、正直だなと思ったのは、頚椎の痛みにはブロック注射もあるから、自分の治療と併せてペインクリニックも行ってみたらどうですか、と勧めてくれたんですね。できる範囲でベストを尽くすけれども、もうちょっと早く治したいんだったらそれもやってみましょうか、って取り入れてくれるところもすごく良いなあと思いましたね」院長「なるほど。炎症期の時はどうしても直接、患部には鍼ができないから、ペインクリニックに行って痛みを止めてもらうのも手なんですよね」
石原さん「角谷さんには、そういう総合的な治療をプランニングしてくれるってところがあって、ありがたかったですね」院長「人には専門専門があり、自分だけでやってもしょうがないですから。自分ができないところは、他の専門に任せていいなと思っています」石原さん「僕にとっては早く治ればいいので、それはありがたかったです。ペインクリニックは、結構痛かったですけど(笑)80歳くらいの女医さん、ホラー映画に出てくるような面白い姿の先生ですけど。四谷のクリニックで、そこの場所も気の通りのいい所でしたね~」院長「それはすごい先生でしたね(笑)」石原さん「角谷さんは持ってる本能をひきだすようなところがありますね」院長「そうですか(照)それで施術6回目(3月18日頃)で少し仰向けで寝れるようになってきて、シビレが良くなって眠れるようになりましたね」石原さん「すごく楽になったなあ~と思いながら、治療ベッドの上に寝ていたのを覚えてます」院長「その頃から、やっと首に鍼ができるようになりましたね。ペインクリニックの治療もあって炎症が早くおさまってきたですね。で、そのペインクリニックに行かなくても大丈夫になって、夜も眠れるようにー」
早く寝るようにして免疫力アップ
石原さん「角谷さんの暗示もあると思うんですが(笑)再三再四、角谷さんが僕に言ったのは、人間の体は夜9時から3時の間に寝ると免疫力があがるって。で、実際そうやったら、元気になってきまして(笑)」院長「よかったです(笑)それまでは、結構寝るのが遅かったですよね」石原さん「それまでは寝るのが大体、午前3時か4時くらいでした。それを12時くらいにしたら、すごいスッキリして」院長「ええ、血流が改善されて顔色も良くなり、体調もだいぶ良くなってきましたね。そして今度は、左の首のところが凝っていたんで、首のコリを緩める鍼をしました。コリが緩んだことで首の面積が広くなって、神経を圧迫しなくなったのでシビレも出なくなりましたね」石原さん「そうですね、左の首が楽になると、今度はそこをカバーしていた右の首の痛みを感じるようになって。そちらも治してもらって、とても楽になりました」
鍼とセルフケアで治癒力を引き出す なおし家の施術
院長「まとめると石原さんの場合は、血流を良くすると、コリをとっていく治療をやってきました。頚椎のキワにすごいコリがあったので、そのコリをとって、手につながる神経の圧迫をとっていくという方針で治療していきました」石原さん「血流と睡眠にしてもそうですけど、いろんな意味で、もともと持っている自分の治癒力を引き出してくれるようなことをやっていただきました」院長「実は治療ってこちらが治すだけじゃなくて、セルフケアも非常に大事なんです。特に石原さんには、早く寝てもらって免疫力をあげることをアドバイスしました。自分の持っている力を引き出さないとなかなか治っていかないと、そう思いますね」石原さん「特に薬を使うってわけじゃないですよね」院長「そうですね。で、4月初旬にはだいぶ痛みも痺れもなくなってきて、その後は仕事が普通にできるよになってきましたね」石原さん「はい、全然問題なかったですね。寝るのも前は、どういう角度で寝ようかなって考えながら寝てましたけど、今はどうにでも寝れますからね」院長「よかったです、石原さんが良くなっていかないと社会的な損失がありますからー」石原さん「いやいや、角谷さんこそですよ。本当にこちらは、なおし家そのものと角谷さんと、スタッフみんなの明るさみたいなものが素晴らしいと思いますよ、やっぱり人間の力ですよね。それと、施術を受ける側の力も引き出してくれるっていうのがよくわかりました」院長「首の治療って実は難しくて、それができるところは少ないと思います。なおし家は首の治療をひとつ専門にしていて、その専門と石原さんの症状がしっかりかみ合ってよかったなあと思います」石原さん「ほんと、助かりました、これだけは。ちょうど、コロナが流行り出して気持ちも暗くなっていたんで、そういう部分でもとても助かってます」院長「そうですね。これからも、健康に留意しながらこちらも関わっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします」石原さん「こちらこそ、引き続きよろしくお願いします」
(2020年4月17日 なおし家にて)
石原 正康 さん(いしはら・まさやす)
1962年、新潟市生まれ。法政大学を卒業後、角川書店入社。1993年、幻冬舎設立に参加。編集者として、五木寛之の『大河の一滴』や『人生の目的』、天童荒太の『永遠の仔』、村上龍の『13歳のハローワーク』などのミリオンセラーや多くのヒット作を手がける。現在、幻冬舎の専務取締役として編集本部長を務める。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演するなど、業界屈指のベストセラーメーカーとして知られる。BS朝日「ザ・インタビュー ~トップランナーの肖像~」でインタビュアーをつとめる。