前編に引き続きお楽しみください。
野口整体との出会い
陸川さん「病気になってなおし家には毎日通院していました。そして3年くらい経った頃かしら、
電車に乗って移動できるようになったんですね。
それで他の施術も受けられるようになったとき、ちょうど義母に誘われて野口整体に行くようになりました」
よしこ
「野口整体は有名ですね」
陸川さん「ええ、それで結構みっちり通い学び、３年くらい続けましたね。
“愉氣”と言って手を当てるだけの整体で、ボキボキやるのとは全然違うんですけど、私の敏感な体には良かったみたいで、それでまた一段と体は変わりました」
すがこ
「どんな変化があったんですか」
陸川さん
「野口晴哉先生が言われていた反応が３つあるんですけど全部起こりましたね。
例えば、皮膚の下に水が流れるような感覚とか、だるくなるとか。本当に２、３ヶ月はだるくてだるくて起き上がれない時もありました。風邪も毎
月ひいたり。でもそれはデトックスですよね。それからだんだん動けるようになりました」
ヨガの講師に
教えることで健康を保てることに感謝
陸川さん
「そうやって体も動けるようになって6年くらい経ったころ、私はずっと今まで人のお世話になって生きてきたな、お世話になりっぱなしだな、でもこれからは自分でできることはしたいな、と思ったんですね」
院長
「そこが陸川さんの素晴らしいところですよね」
陸川さん
「その時ふっと、娘が幼稚園の頃に通っていた友永ヨーガ学院があったなあと思い出して、恐る恐る通い始めたんです。それが２００９年の２月です」
すがこ
「それが今されてるヨガの講師のお仕事につながるんですね」
陸川さん
「そうなんです。最初はそれこそ、ヨガのレッスン９０分を過ごせるかどうかが不安だったんですけど、やれたんですよ。
仕事もずっと休職していたんですけど、復帰できる目処も立たず退職しました。今私がやることは自分の体を良くすること、それが仕事だと」
院長
「その決断もすばらしいなあ～」
陸川さん
「そのタイミングでヨガの指導者養成コースが始まるということで、３年間通うことになりました。そのコースに入ると、レッスンは受け放題で座学や、東洋医学、中医学、マクロビオティック、アーユルヴェーダや断食などをその道の先生が来てくれて教えれくれたんですよ」
全員
「すごい。本格的！」
陸川さん
「私としては、指導者になるということは全く考えていなくて、その経験を通して自分で自分の体をコントロールできるようになりたい、自分が
自分の体の持ち主でありたいと思った。それで続けられたんだと思います」
すがこ・よしこ
「すばらしいです」
陸川さん
「そして3年後、2012年に卒業したその時に、ヨガを教えてみませんかと声をかけられまして。
最初は、えー私が？と思いましたが、せっかく声をかけていただいたのでやってみようと思いました」
陸川さん
「体の調子もいつも良いわけではなかったのですが、週１回のレッスンに向けて、自分の体を持っていくというか、意識していくことが私自身の体のトレーニングになりましたね」
院長
「そうやって意識することで、より健康になっていかれたんですね」
陸川さん
「はい、そして今に至ります。今は地元の西荻窪でのレッスンと、コロナということもあって友永ヨガでは、オンラインレッスンも配信しているんですよ。私は３０分の椅子ヨガをオンラインでやっているんです」
よしこ
「受けてみたいです～」
陸川さん
「ぜひ。教えるというのは、必ずそこに行かないといけなくてキツい時もあったんですけど、コロナでしばらく休んでいた時に、つくづく感じたことがあって。それは、私は教えるという立場で自分の体を保っていた、健康を保っていたんだなということを。
なので今講師として教えられることはとてもありがたいと思っています。みなさんに喜んでもらえることが嬉しいのはもちろん、自分のためにも教えることは続けていこうと思います」
この対談を編集している時に陸川さんの椅子ヨガを受講しました。
30分なのに、体がほぐれてすごくスッキリしました！
おすすめです～（すがこ）
「からだを温める」 三井温熱の療法士
陸川さん
「それとなおし家で三井温熱療法に出会いましたでしょ。それがとても良かったんですね。それで体が動くようになってから、三井温熱を習いに行って、温熱療法師の資格をとったんです」
院長
「ああ、そうでしたね。温熱療法は血流が良くなるし、何より気持ちいいのでリラックスできますよね。陸川さんも温熱療法を受けることで血流が良くなって顔色が良くなりましたよね。より健康的になりました」
陸川さん
「ええ、そうなんです、ありがたかったです。それで念願の温熱療法師になって、なおし家さんが休みの時に、ここをお借りして温熱の施術を1年程やらせてもらってました。そのあと三鷹に場所を借りて現在も週に何回か施術をやらせてもらっています」
院長
「それをやりだしてから陸川さんが更にイキイキして、陸川さんらしい活動がはじまりましたね」
自分で主催するワークショップが楽しい！
陸川さん
「それから、自宅の裏に「醸（かもし）カフェ」という発酵食品を出すレストランがあるんですけど、そこのマスターも健康に興味があっていろんなワークショップをやっていたんですね。
例えば味噌蔵の方が来て味噌造りをしたりとか、なかなか面白いんですよ。
それで私も参加していたんですが、私の自宅の庭にビワの木があるなんて話から、ワークショップをやろうということになりまして。
ビワの葉エキス作りとか、エキスを原料にしたクリームを作るとか。
皆さんと一緒に作って、持ち帰ってもらっています」
よしこ
「へー、それはいいですね」」
陸川さん
「それから、平井先生（福岡県の鍼伮師で時々なおし家を借りて施術をされている）に教わった炭もぐさを使う温伮メガネ作り、それもとてもよかったですね。
作る過程が工作みたいで楽しい。
しかもそれをかけると目にとっても良いと評判でした」
よしこ
「今、目が疲れてる方も多いですし、とても良さそう。
今度なおし家でも作ってみたいですね」
すがこ
「ぜひやりましょう！」
患者さんの立場だからこそ伝えられること
すがこ
「こうしてお話を伺うと、いろんなセルフケアをご存知で、しかもとっても楽しそう」
陸川さん
「これまで学んだセルフケアを自分のものだけにしておくのは勿体ないと思って、今はお伝えするのが楽しいんです」
院長
「陸川さんはセルフケアの一大プロだと思ってるんです。なぜかというと私ら施術家は、鍼なら鍼というひとつの道にいってしまうけど、陸川さんは患者さんとして来てらっしゃるから体に良いものは何でも自分に取り入れようとされる。
施術家はどうしても自分の持っているものを極めようとするからスタンスが違う。でもその両方が必要なんだと思うんですよ」
陸川さん
「私はこの体を良くするのにもっと良いものはないだろうか、もっと知りたい！と常に探している感じがあるんですよね」
院長
「そこが患者さんからきたスタイルと、施術家からきたスタイルの違いですよね。患者さんは自分の体が良くなればいいわけですから、それを追求していくといろんなものに出会う。本物にも出会っていき、自分に合うものに出会えるんですね。
それを自分の中に入れていくと、それが自分の健康をつくることにもなるし、それを人に伝えるということになっていくんだと思うんです」
陸川さん
「ああ、なるほど、とても納得しました。ひとつのことを極めるのもいいなと思いながら、なんで私はひとつのことに止まっていられないのだろうってずっと思っていましたので」
院長
「だから陸川さんのスタイルはとても素晴らしいと思います」
陸川さん
「この体を持って生まれてきて、調子が悪い時もあるけれど、体を治すためだけの一生にしたくない、体のことをあまり気にせず、やりたいことをやって過ごしたいという想い。
それと体の調子の波は誰でもあるんだけれども、その波を自分である程度改善できるような術を身に付けたいという想い、そういう気持ちでこういうことをやってきたように思います」
よしこ
「今回、ゆっくりお話を伺って、昔の陸川さんがそんな大変な経験をされてきたことに驚きました。でもそれを経た今の陸川さんのあり様が本当に素晴らしいです。感動しました」
病気は「自分で自分を産みなおす」ための経験だった
すがこ
「最後になおし家の感想をお聞きしていいですか」
陸川さん「なおし家は私にとって実家のようなものです。院長がお産婆さん。なぜかというとこれまでお話ししたように、最初の頃すごい激痛だったでしょう。まるで陣痛のような。つらつらと経過の中で思ったんですけど、あれは自分で自分を産み直すということだっ
たんだなあと。自分を産み直すための陣痛だったんじゃないかなと思うんですよ。
そこの一番肝心なところに院長先生が立ち会ってくれたような感じです。それが私にとってのなおし家ですね」
すがこ
「わあ～、なんだか深いお話しですね」
陸川さん「生きている中でこういう出会いがあったことは本当に幸せで、病気になったからそういうつながりを持てるようになったと思うんです。自分の本質につながる人が周りに増えたのは、本当に病気のおかげだと今は感謝しています」
よしこ
「素晴らしいです。そんな陸川さんを施術させていただけることにも感謝です」
院長
「これからも引き続き体のメンテナンスでお力になれれはと思います。ワークショップも実現したいですね。今日は有意義な時間をありがとうございました」
（2020年12月3日 なおし家にて）
陸川祐有加 Rikukawa Yuuka
臨床心理士
ヨガインストラクター
サウンドセラピスト
三井温熱療法士
ヘナインストラクター